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| おかやま財界 2003年11月5日号 |
なお、記事中の文章は下に抜き出してあります。


掲載記事の文章のみ下に抜き出しましたので、
記事を読まれる方はどうぞ。
高齢者の自宅や病院、福祉施設などを訪れて出前理美容 を展開する訪問理美容協会。 「今日も午後から三人の予約 が入っているんですよ」と、 藤岡正直会長(56)が携帯用のシャンプーセットを車に積み込む。 散髪やパーマの出張サービスは困難とされていた。 その思いを覆したのが、藤岡さんが考案した携帯用シャンプー セット「軽体シャンプーリング」だ。 ■アイデア器具 ポリ袋付きの蛇腹のリング(直径約四十五センチ)を首に当て、 洗面台として使う器具。リングは自由に変形できるため、 首に密着させ、車いすに座ったまま水をこぼさず洗髪できる。 三脚で高さの調節も自由自在。洗髪だけでなく、高齢者の要望が 多い毛染めにも応じられる。出張サービスならではのアイデア品 はほかにもある。 背もたれにまくらをつけた形の「自在まくら」。 いすと背中の間に挟んでまくらに頭を当てると、一定の姿勢を 保ちにくい人でも楽に散髪ができる。 携帯用掃除機の先にくし形のノズルをつけた「ヘッドクリーナー」は 散髪後に活躍する。頭に残った細かな毛まで吸い取ることができ、 部屋の掃除、シーツの取り替え、入浴、着替えなど介護者の手間が 不要になった。 料金は出張費が千円、それにカットニ千五百円、顔剃り五百円、 パーマ六千円など。協会には県内の理美容師二十人が 年会費二万円で登録しており、協会で注文を受け付け、 最寄りの理美容師が訪問する仕組み。利用者数は一日平均百人 以上に上っている。 ■リハビリ効果も 藤岡さんが事業を思い立ったのは、介護保険制度がスタート する一年ほど前。新たな介護ビジネスの展開が期待される中、 ホームヘルパー二級の講座を受講した。 介護保険制度に合わせ、多くの市町村で訪問理美容に 補助金を支給する制度が始まり、確実に需要が高まると判断。 二〇〇〇年四月、訪問理美容協会を設立した。 当初は、病院や福祉施設で営業した。それまで、これらの 施設では、入浴などの介護負担を減らすため、髪を短く切るのが 一般的。男女ともすそを短く刈り上げる『施設カット』にしていた。 藤岡さんは一人一人の希望を聞いて髪を切り、パーマや毛染め をすると思わぬ効果が表れた。高齢者の表情が見違えるほど 明るくなり、施設側から「リハビリのような効果がある」と評価された。 在宅サービスでも、同じような評判が広がっていった。 中には「普段は布団から出ないのに、散髪の後だけは元気に歩き 回る」と、一週間おきにカットを依頼する家族もいるという。 協会の訪問理美容事業は、高齢化に対応した新ビジネスとして 業界でも注目を集めている。長崎市で理美容師のグループが 同様のNPOをつくったのをはじめ、大阪府美容組合豊中支部 (大阪府豊中市)も今年一月にNPOを設立、業界団体として初めて 本格的に訪問事業に乗り出した。 藤岡さんは「高齢者も若い人と同じように強い理美容ニーズがある。 高齢者を介護する家庭や福祉施設などに理解を広めたい」と話して いる。 −訪問理美容事業を始めた動機は?− 「父親の代から理髪店を経営し、体を悪くした高齢者の足が 遠のいていくのを感じていた。車で店に送迎すると大変喜ばれた ので、訪問して散髪すればさらに喜ばれるのではと考えていました」 −実際に始めてみると− 「一人暮らしの方などは想像以上に喜ばれ、毎回帰りにくい ほど。私白身も店の営業では感じなかった喜びを感じています。 訪問理美容を始めて、体が不自由な高齢者の心理が分かって きました。まず、息子や娘にたまの休みをつぶして散髪に連れて いってもらうのは申し訳ないという気持ちがある。しかも、 店はバリアフリーでなく、車いすのまま入れない。 体に障害があると、店で知人に会うのも恥ずかしい。 だから、おしゃれをしたい気持ちがあっても、店に行きづらくなるの です」 −利用内容は?− 「女性の七割がパーマや毛染めを希望、九十三歳でパーマを かける人もいます。女性は化粧が生活習慣になっていて、外出 しなくても身だしなみを整えておきたいという意識が強い。 それを思えば、男女とも刈り上げですませるのは、あまりにも 高齢者の気持ちを無視していると思います」 −理美容器具の開発にも積極的ですが− 「必要に迫られて、ホームセンターで部品を買って手作りしました。 初め、シャンプーセットの洗面台には工事現場用の水槽を使って いましたが、これは持ち運びが不便。 軽くて折り畳めるビニール傘で作ってみたら、今度は見た目がかっこ 悪いと笑われました。今の器具は改良を重ねた八代目の製品。 名古屋市の理美容器具メーカーから業者向けに全国販売しています」 −全国への広がりが期待されますね− 「高齢者のおしゃれをしたいという気持ちを大切にしなければ いけません。県外でも同じ思いの理美容師がいれば、器具やNPO 運営などのノウハウを提供したいと思っています」 |
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