「困っている人がいる、だから…」 '04年 新年座談会
(その2)
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| "多くの利用者の笑顔がみたい"本紙2004年1月1日付新春特別号の「新春座談会」ではこれらの思いを胸に秘め、特別養護老人ホームなどの施設や寝たきりの高齢者、また身体障害者ら在宅の利用者に対して積極的に訪問理美容に取り組んでいる代表者に参集いただき、利用者との触れ合いや施術の仕方、また過熱する競合との問題などを実体験をもとに話し合ってもらった。その中では同じ仲間として共通する思いや、事業を展開していく上で大いにヒントとなる意見を随所に聞くことができた。そこで今号では引き続いて6氏に介護保険加入への是非、ヘルパー2級資格取得での体験談、今後の自身の目標などを語ってもらった。 |
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介護保険へ加入の善し悪し
絶対、介護2級を取得すべき
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Q では介護保険に訪問理美容サービスが組み込まれるべきだ、それとも現制度のままでいいという意見も聞かれますが。
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(藤岡) 私は行政など多方面での協力をもらわずに、自分の力で進めて行った方がいい面もあると思います。
なぜかと言えば、介護保険の中に入れば料金とか価格が決められてしまいます。今は自分のところでカットは幾らで、パーマは幾らでと自由に決める事ができます。本当は医者や医療機関のように保険の点数に入ればいいと思いますが、そうは甘くはないでしょう。
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(山口) 藤岡さんがおっしゃったように介護保険に入りますと、民問業者が入ってきたりしてかえってコストを下げていかなければならないでしょう。またいろいろな部分で理美容らしいサービスといいますか、行政を動かしてとか、地域の人々と密接にコミュニケーションを図っていくことなどが、介護保険に入る事によってなくなってしまい、一般的なサービスになってしまうのかなという思いがあります。
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Q それぞれの立場で課題や難しい点があると思いますが、いかがでしょうか。
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(中川) 現在の私の問題点としてはホームページを開設していますので、遠くの人からも訪問の依頼を受ける事です。
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(近藤) 豊中での依頼があればぜひ、私たちに声をかけてください。
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(中川) ありがとうございます。メールを見ていても 「おばあちゃんを少しでもかわいくしてあげたい」と書いてこられますと、どうしても断ることができません。そういう場合はまる一日掛かって行くことになります。遠い所になれば高速道路で1時間の距離でも行きますから、はっきり言って赤字ですね。
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(近藤) でも、それに応えてあげるのは夢があるからですよね。
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(中川) そうですね。皆さんの喜んでくれる顔が見たい、というその思いだけですね。
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(藤岡) 私は思いますが、近藤さんの豊中支部さんは「組合員のサロンはヘルパー2級の資格を持っていて、介護・介助ができますよ」ということを第一に活動を展開していけば、組織の強化になりますし、多くのディスカウントサロンとの差別化にもなる。
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(近藤) はい。そうです。私たちは訪問介護の2級の資格を持って、訪問美容に行く。知識を持って訪間するのと、そうでないのとでは大きく違いますからね。
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(藤岡) 理美容室(理美容師)は絶対にヘルパー2級を取るべきだと思います。
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(近藤) はい。資格を取得していれば、車椅子の人が来られても手の出し方や車椅子からシャンプー椅子に移す時など介助の方法が違うんですよね。
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Q ヘルパー2級の取得には施設などへの実習や身体を不自由にさせての体験もあると聞きましたが、いかがでしたか。
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(近藤) 一番私がしんどかったのはアイマスクでしたね。
マスクをしたままで食事をすることや散歩に連れて行ってもらうのが大変でした。食事が特に大変で、"犬食い"する気持ちが分かりましたし、寝たままでの食事も、横になったままだと食べ物が入って行かない。それに左手の指を不自由にしての食事も苦労しました。もちろんどれも大変でしたが目が見えないということが一番困った。一番ハンディがあるんじゃないかと感じました。
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(上田) ですがハンディのある方は違う部分で優れていますね。ですから言葉が悪いですがいいかげんな仕事をすれば必ず見抜かれますね。先日も施設を訪間した際に、ある利用者がじっと皆の顔を見てるんです。私のグル一プも4,5人で伺いますが、どの人にカットして欲しいかを目で追っている。逆に一度してもらって嫌だと思った人は必ず拒絶されます。
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(藤岡) 知的障害者の人でもそうですね。
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(上田) ですから優しい笑顔で「○○さん元気」と一声かけるだけで、にこっと笑ってもらえる。笑顔が大事ですね。
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(中川) カットをして話をして本当に元気になってもらって良かったと思えることがたくさんありますね。
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(上田) それは肌で感じます。ですから生き甲斐ですね。そうでなければ本当にしんどいですから、できません。心の充実感はあります。グループの人間も朝早くから施設に行きますし、『しんどいなあー。何でこんなことせなあかんのかなあー』と言いながらも、「もう来週は来ないのか」と聞きますと、『いや、いや行きます、行きます』と返事があります(笑)。我々が従事しているというのが一つの喜びなんです。でもこれは、ビジネスでなければ意味がないとも思っています。その中で、ビジネス以上の生き甲斐を私たちは感じることができるということです。ですが儲かるということは絶対にない。
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(近藤) お金儲けを考えたらできません。笑顔が見れたらいいなということ。
で、ある時に言われたことがあるんです。「普通の子と同じように扱ってください」と。言われて、それまで私たちは利用者の皆さんに構え過ぎていたんだと気が付いたんです。
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(上田) 全くその通りですね。
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(近藤) 何のことは無い、彼、彼女も怒りますし、良かったらこちらが褒めてあげる。これまで構え過ぎていたんで、それを分かった自分も嬉しかった。
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(長野) そうですね。本当に構えると見抜かれるんですね。でも、どうして接すればいいか分からない時は構えてしまいますね。ひと言、ふた言でも関わっていくことで、構えはなくなっていくんじゃないでしょうか。
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家族からも信頼を得ること
訪問商品の開発、保険整備
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(長野) 少しお聞きしたいんですが、カットなどをしている最中に利用者が排泄などを催したときは介助されるんですか。
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(中川) 病院などでは確かにカットの途中で「トイレに行きたい」という人もいますが、病院の場合は看護師に任せます。
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(藤岡) 私は一通り施します。排泄介助からベッド移動などすべてです。それらを任されるほど、施設や病院から信頼を得ていますので、時々やっています。また、やることでスタッフの作業効率が高まります。こちらサイドもこちらの段取りで作業ができる訳です。在宅の場合でもヘルパーさん一人での入浴介助は大変ですから、お手伝いをする時もあります。ご家族からも信頼を得ていますし、またヘルパーステーション、介護ステーションからもです。
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(上田) 在宅の場合、たまに利用者の方から「今掛かっているサービスセンターが思わしくないので、どこかいいところがありませんか?」という相談があるんですが、そういう場合はどうされますか?
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(藤岡) 確かにそういうことはたくさんありますが、私は絶対に介入しないようにしています。
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Q それでは今後このように活動していきたい、などの思いがありますか。
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(近藤) これからは他業種の人たちともお付き合いができればと思っています。そうすればこれまでの自分に無い面が出てきて、また支部に戻った時に支部員にいろいろな話ができますからね。いろんな方のいろんな知恵を聞いて帰りたい。一つの事柄を進めようとすれば難しい。すべて卓上論になってしまう。ですから組合員さんが半歩でも前に出るように私は皆さんを後ろから押すだけです。私が今、『豊中訪美協会』の活動を行っているのは、次の世代に活動をつなげてもらいたいからです。そして早くバトンタッチができて、私たちがサポートする側に立てればと考えています。
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(藤岡) 希望とすることを最後に話させてもらえればと思います。まず、理容組合、美容組合、理容師、美容師には、ともかく訪問理美容サービスをしてあげて欲しいと願います。高齢化社会は当たり前の世の中ですが、こちら側が知らないだけで、お困りで、お悩みで、あきらめた感じになっている人がこの世の中にはたくさんいらっしゃいます。そういう人々に施術をさせてもらって、喜ばれて感謝されて、また生活の糧は十分に稼ぐことができます。
また高齢になってお店に来られなくなったお客様の家に行ってなぜ、カットしてあげないのか。今まで、何十万、何百万円と儲けさせて頂いたお客様です。ですから理容師、美容師は社会でお困りの、ましてや自分の店の馴染みのお客をフォローできるように訪問理美容に取り組んで頂きたい。組織もそうです。なぜかと言えば、正直な話、需要と供給とで手が足りていないんです。近い将来、他業種が入って来るでしょう。その結果、エステやカツラ、ネイルなど、他業種に食われるのが残念ながら目に見えています。
ですから既存の理容師、美容師がとにかくやって欲しいのです。 ただ参入しやすくするために急務な事としては@環衛法、環摘法の改正Aメーカー、販売会社による訪問用の用品、器材の開発B賠償保険など、各種保険の整備が急務だと思います。加えてマスコミ・雑誌社にお願いしたいのは高齢者向けのヘアカタログがあればといつも思っています。
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(上田) それは私も思います。必要ですね。
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(藤岡) 病院の看護師は忙しいですから、「パーマしてください。カラーリングしてください」と、私たちに伝えるだけ。脳に障害のある人は言語障害があり、パーマの掛かり具合や、カラーの色を言うことができません。ですからカラー見本やパーマ見本、ヘアスタイルカタログなどが欲しい。若い人たちばかりのスタイル雑誌ではなく、サロンの高齢者や在宅・施設の高齢者用のヘアカタログですね。これから参入する人たちにもこれは必要不可欠なんです。
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(上田) 私たちも誰もがカットできるように個人別のカルテを作成しています。
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(藤岡) スタイルカタログなどを作ることによって、もっと、もっと身だしなみやオシャレというものを利用者の皆さんに感じてもらえるはずです。施設や病院の方も利用者ご本人や家族の希望をかなえてあげることが、”真のリハビリ”だという面を理解して頂ければ幸いです。
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| (新春座談会の内容は以上です。) |